【第5号】プレゼンで空回りしない!「熱狂9割・冷静1割」の伝え方


~型を身につけ、時間の略奪者から卒業する~

ごきげんさんです。

キャリアを積んだ責任ある立場の方とお話ししていると、ある共通の悩みをお持ちであることに気づきます。

「熱意を持って話すと、独りよがりになって部下が引いてしまう」 「かといって論理的に話すと、退屈な説明になって心が動かない」

組織を動かす「情熱」と、市場を生き抜く「冷静さ」。この矛盾する2つの力を、どうコントロールすればよいのでしょうか?

実は、その答えは400年の歴史を持つ「落語の技術」にあります。

私はキャリアコンサルタントとして活動する傍ら、14年間落語の高座に上がり続けてきました。その経験から、リーダーの伝え方に革命を起こす「熱狂9割・冷静1割」の黄金比率についてお話しします。

あなたのキャリアをさらに飛躍させる「編集長マインド」を、ぜひ持ち帰ってください。




なぜリーダーの熱意は空回りするのか?

組織を牽引するには情熱が必要です。しかし、リーダーが感情を100%解放して「熱狂」してしまうと、コミュニケーションは失敗します。なぜなら、それは聴き手にとって「過剰な情報」となってしまうからです。

落語における「憑依」と「ドン引き」のリスク

落語には、演者が登場人物の感情や背景を自分の体の中に完全に取り込む「憑依(ひょうい)」という技術があります。いわゆる「なりきり」です。この深い没入があるからこそ、聴き手の脳内に情景が浮かび、話の世界に引き込まれます。

しかし、演者が100%感情に身を任せてはいけません。

演者が自分の面白さに陶酔し、自分だけが気持ちよくなってしまうと、観客はどう感じるでしょうか?

「なんや、独りよがりやな…」「暑苦しいなぁ」と冷めてしまい、心を閉ざしてしまいます。

これはビジネスのプレゼンでも同じです。リーダーだけが熱くなればなるほど、周囲は「過剰な情報」として拒絶し、場が冷え切ってしまうのです。




聴衆を引き込む「1割の冷静な自分」とは

では、どうすれば熱意を伝えつつ、聴衆を巻き込めるのでしょうか。ここで重要になるのが、「1割の冷静な自己」です。

「もう一人の自分」を天井に置く

一流の落語家は、舞台で汗をかいて熱演しながらも、頭の片隅に「もう一人の自分」を置いています。

「今、お客さんは笑っとるか?」「話すスピードは速すぎへんか?」

このように、自分と会場全体を天井から見下ろすような「編集長マインド」が、熱狂の暴走を防ぎます。

冷静さが生み出す「間」の力

この「9割の熱狂」と「1割の冷静さ」が同居した時、コミュニケーションに劇的な変化が生まれます。それが「間(ま)」です。この「間」の操作こそが、場をデザインする技術です。

演者が1割の冷静さでペースをコントロールしていると、聴き手にはそれが心地よい「余裕」として伝わります。この余裕こそが、聴き手が自分の頭で考え、話に没入するための「余白」になるのです。

  • 熱意だけで話す: 情報の押し付け(聴き手は受け身)
  • 1割の冷静さを持つ: 想像する余地が生まれる(聴き手は能動的になる)

「この人、熱い想いがあるのに、しっかり落ち着いて話しているな」。そう信頼してもらうために、冷静な「かじ取り役」を自分の中に同居させましょう。




緊張しないための練習法「口慣らし」

「理屈はわかるけど、本番では緊張して頭が真っ白になる」という方も多いでしょう。この1割の客観視という高度なスキルは、どうすれば身につくのでしょうか?

答えは、落語の地道な稽古法「口慣らし」にあります。

内容を「血肉」に変える反復練習

「口慣らし」とは、台本の内容を身体に染み込ませる反復練習のことです。

プレゼンの原稿を「思い出そう」としている段階では、脳のメモリ(処理能力)がいっぱいで、周りを見る余裕などありません。

何度も声に出して練習し、内容は無意識に出てくるレベルまで「血肉化」してください。そうすると、脳のメモリに空き領域が生まれます。

この「脳の余裕」があって初めて、現場で「聴衆の反応を見る」「場の空気を読む」といった、1割の冷静さを発揮できるようになるのです。




まとめ:編集長マインドでプレゼンの場を支配する

落語の技術が教える「9:1の黄金比率」

それは感情を捨てることではありません。9割の熱量を持ちながら、1割の冷静な編集長がそのエネルギーをコントロールする状態です。

論理だけで武装して言葉が届かないと悩んでいるリーダーの皆さん。次は、情報をただ投げるのではなく、落語家のように場の空気をデザインするつもりで挑んでみてください。

  • 伝えたい内容は、無意識に出るまで「口慣らし」をする。
  • 本番では熱く語りつつ、「天井から見ているもう一人の自分」を意識する。

この「1割の冷静さ」が、あなたのキャリアを次のステージへと押し上げてくれるはずです。




【次号予告】 次回のテーマは、第3の柱である「構癒(こうゆ)」です。 なぜ、人は他人の失敗談に癒やされるのか。 失敗を「資産」に変え、折れない心をつくる「レジリエンス」の正体に迫ります。

【読者の皆様へ】この記事があなたのビジネスを動かす一助となれば幸いです。感想やご質問はコメント欄でお待ちしております。


感想いただけるとうれしいです。



シェア大歓迎です。

もし、僕に共感してくれそうなご友人がいましたら、
このメルマガを紹介していただけると嬉しいです(*^_^*)

https://winning-crafter-4888.kit.com/db7e1396c1

申し込み後自動返信メールがとどきます。
「今すぐクリックして購読を完了させる」をクリックで登録完了です。

お問い合わせは、こちらまで 
kimoto5526@gmail.com

ーー

登録解除は下記にある【登録解除はこちら】をクリックしてください。

ーー

いっきょう@影褒め亭

📖 「国家資格キャリアコンサルタント × ビジネス小噺家」落語の世界観に魅せられ、13年のキャリアを持つ。「死神」や「いきだおれ」といった、一癖ある演目を好む。国家資格キャリアコンサルタントとしての知見と落語を融合し、独自のスタイルを確立。人の強みや人生の物語を落語に仕立てることで、第三者視点からその人の魅力を浮き彫りにする活動をしている。

Read more from いっきょう@影褒め亭

~完璧主義という病からの脱却と、自己編集権の奪還~ ごきげんさんです。 現代のビジネス社会、とくにハイキャリア層を蝕むもっとも深刻な病理。それは「無謬性(むびゅうせい)への強迫観念」であると言えるでしょう。 「リーダーは間違ってはいけない」「失敗はキャリアの汚点である」。 そんな完璧主義の鎧をまとい、息苦しさを感じているエリートは少なくありません。しかし、私が14年間身を置いてきた落語の世界、そして梅棹忠夫が説いた情報の生態学的な視点に立てば、その価値観は完全に逆転します。 失敗とは「エラー」ではありません。それは、あなたのキャリアという物語を面白く、かつ強固にするための「貴重なデータ(資源)」なのです。 今回のニュースレターでは、第3の柱である「構癒(こうゆ)」をテーマに、失敗という名の「負債」を、笑いという技術で「資産」に書き換えるアルゴリズムを解剖します。 私の個人的な恥多き体験談——キャリアコンサルタント試験における不合格の記録——を解剖台に乗せ、いかにして「折れない心(レジリエンス)」を設計するか。その構造工学を提示しましょう。...

~400年の知恵に学ぶ、聴衆を主役にする「時空間」制御システム~ ごきげんさんです。 現代のビジネスの現場、とくに責任ある立場の人々の会話を観察していて、ひとつ、奇妙な現象があることに気づきます。 それは、「沈黙恐怖症」ともいうべきものです。 会議で、商談で、あるいは部下との面談で。ふと会話が途切れる瞬間の「間(ま)」を、まるで放送事故か何かのように恐れ、あわてて意味のない言葉で埋めようとする。 「なにか喋らなあかん」と焦れば焦るほど、言葉は軽くなり、場の空気は弛緩していく。 そんな経験、おまへんか? しかし、私が14年間学んでいる落語という世界では、この認識はまったく逆になります。 沈黙とは「空白」ではない。「機能」なのです。 落語において、演者が口を閉ざすその瞬間こそ、聴き手の脳がもっとも激しく回転し、物語に参加する時間となる。 私はそれを「間力(まぢから)」と呼びます 。 言葉で説明するのではなく、時間と空間を制御することで、相手の脳内に直接、情景を映写する。 いわば、コミュニケーションにおける「時空間」の支配術です。...

なぜ、あなたの話は「筋が通らない」と思われるのか? 伝えたい情報が多すぎて、つい余計なことまで話してしまう—このような経験は、ビジネスの現場で日常茶飯事でしょう。完璧に作り込んだ資料なのに、会議でなぜか「話が長い」「結局何が言いたい?」と聞き手を苛立たせてしまう。プレゼンが成功するはずだったのに、なぜか不発に終わる。 これらの課題の根本原因は、単なる語彙力の不足ではありません。本質は、あなたの思考やメッセージの「構成の型」が確立されていない点にあります。情報過多な現代において、あなたのメッセージは瞬時に「不要なノイズ」として切り捨てられてしまいます。聞き手の集中力が持続するのは、長くてもわずか数分。その限られた時間で心をつかむには、型に基づいた戦略的な情報設計が必要不可欠です。...